明日は
SCENE 2
子吉沢の自宅は古びた二階建てのアパートだった。
階段を上がり、二階に部屋はあった。五つ並んでいる真ん中のドアを開けると、台所があって、その奥の六畳間に父親はいる。今日も酒を飲んで眠っていた。
いつものことなので、慣れた。すぐに制服から私服に着替え、また、外出するのだった。
家にいても気分が悪くなるからだ。
母親が帰宅する夕方に合わせて戻るのだった.
子吉沢は今日のことを思い出していた。真猿と克物の怪談のことである。
舞台となった廃墟の病院は五年前に封鎖し、隣町と言っていた。
場所がわからない。
そんな近くに廃墟の病院があることなど知らないのだ。
子吉沢は廃墟の病院に興味がわいたのである。なぜか現場に行って見たくなったのだ。