明日は
 勤めていた父親の会社が倒産し、転職したが、馴染めずにすぐに退社した。

 そこからである。父親は昼間から酒を飲み、現実逃避したのだ。酔いが覚めると不安になるのだろう。また酒を飲み続けた結果、肝臓を患い、アルコール依存症なり入院したのだ。

 子吉沢は父親が入院して安堵た。これから父親がいい方向に快復してくれと思ったからだ。

 その日は午後から雨だった。

 土砂降りだった。父親が入院して数日経過していた。家には学校から帰宅したばかりの子吉沢が一人だった。外の雨音が室内まで響ていた。

 ドンドンドン!

 玄関に来訪者がいるようだ。

 ドンドンドン!

 すぐにドアは叩かれた。

 ドンドンドン!

 さらにドアを叩く音は強くなり、早くドアを開けろと、催促をしている。

 異常だ。

 子吉沢はドアを開けると、そこにはびしょ濡れの父親がいた。
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