明日は
「仕事はいつになったらするの?」

 子吉沢が日頃から父親に聞いて、みたかったことである。

「そのうち」

 父親はやっと重い口を開いた。

「仕事しないなら、せめて酒ぐらい飲むのやめてよ」

「うるさい!」

 と、父親は言って、外に出て行った。酒を買いに行ったことは想像できる。

 子吉沢は気晴らしに近くの公園に行った。
寒いので、遊んでいる子供は少ない。ブランコに先客がいた。

 墨丘だ。

「どうした?」

 子吉沢は無視するのも気がひけたので、聞いたのだ。

 墨丘は考えごとをしていたらしく、子吉沢がいるの確認すると、会釈した。





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