明日は
 しばらくして、父親が母親の肩に担がれて帰ってきた。

 父親の顔にぶつけたようなキズがあり、赤く血がにじんでいる。

「酔って寝てたんだって」

 母親は父親を布団の上に寝かすと、子吉沢に言った。

「そうだったんだ」

「まったくいい迷惑だよ」

「そうだね。仕事もしないで、酒ばかり飲んで、どう言うことなんだろうね」

 子吉沢は寝ている父親は情けなく、かっこ悪く思った。と、同時に死ねと思った。
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