明日は
SCENE 7
 子吉沢は今日も憂鬱だっだ。

 苛立ちもあった。

 学校内の物をバットでぶち壊し、気持ちが晴れるのなら、行動したいが、やってみないとわからないので、我慢をするしかなかった。

 子吉沢の右肩に感触があった。誰かが手を乗せているのだ。振り返ると、墨丘だった。

 時刻は給食を終え、休み時間だった。

 いつもなら墨丘を女子たちが囲んで騒いでいるが、今日は様子が変だ。

 確かに女子たちも大勢いる。その中に真猿と克物を中心に冷たい視線を送っている。

 何ごとだ?

 子吉沢は個人的なことで悩んでいたので、状況がわかっていなかった。

「墨丘! 早くみんなの前で告れよ!」

 真猿の言葉はきつく、責めている。部外者の子吉沢まで心が痛くなるほどだ。

「……」

 墨丘は下を向き、口を開こうとしていない。

「黙っているなよ!」

 克物も責めている。
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