明日は
SCENE 8
 二学期の終業式の日。

 子吉沢はのクラスは、いつも通りに戻っていた。

 墨丘の周囲には女子たちがいなくなり、わりと静かだった。

 墨丘も黙っていたので、大佐古教諭が口出すこともない。

 真猿が子吉沢のことをホモ呼ばわりするが、無視した。

 何ごともなく終わった。明日からは冬休みだ。

 子吉沢はもちろん帰りは一人である。

 後ろに人がついてくるのが気がついたのは自宅の前だった。

「何だよ!」

 子吉沢は不機嫌だった。家に戻ればアルコール依存症の父親が待っている。この先の不安から声は荒げていた。

「だって……」

 子吉沢をつけていたのは墨丘だった。

「だって? ストーカーみたいでキモイぞ!」


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