明日は
 子吉沢は非科学的なことは全く信じていなかったので、下を向いていることにした。

「亮、怖いんだろうな?」

 克物は親指と人差し指で丸をつくりオーケーサインを真猿に送った。

「これは俺と博人の体験した話だけど、ほら隣町の五年前につぶれた病院なんだけど……」

「今は廃墟になってそのままのだよ」

 真猿は克物の話を補うように説明した。

「二人で行ったんだ」

「夜だったな」

「夜の八時だったな」

「近くに家はあるけど、静かだったな」

「懐中電灯で中を探検したんだよ」

「一応、携帯のカメラで動画を撮影したんだけど、暗くて写らないから、すぐにやめんだ」

「あそこは地下一階の地上何階だったけ?」

「三階」

「まずは一階から探検しようって決めたんだ」


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