明日は
「よかった」

 子吉沢は墨丘を追い返さなかった。サンドイッチがおいしそうだったからである。

 それと、昨日から父親が帰ってきていなかった。

 子吉沢は父親の不在で、安堵感があったので、つい墨丘を受け入れてしまったのだ。もし、クラスメイトたちに見つかれば完全にホモ疑惑は確信になるが、そんなことはどうでもいいくらい、精神的に安らぎがあった。

「どうぞ」

 と、墨丘はサンドイッチを勧めた。

 子吉沢はハムとレタスのサンドイッチを口に運んだ。

 モグッモグッ……

「おいしい?」

 子吉沢は右手でOKサインを出した。

「よかった……」

 墨丘は子吉沢がサンドイッチを食べるのをじっと見ていた。

「お前も食べろよ」

 子吉沢は恥ずかしくなったので言ったのだ。
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