明日は
「そうか! 二分の一かける三分の三か。三分の一の方は二分の二をかければいいの?」

「そうよ」

「そうか。すると、六分の三と六分の二になるのか」

「答えは?」

「六分の五?」

「正解!」

 墨丘は喜んでいる。たった一問正解しただけなのにである。今まで、教諭たちがこれほど熱心に指導した記憶がない。まず、学校だと、理解できなくて、どう質問したらいいか困ると置き去りにされ、どんどん授業は進み、気がつけばやる気をなくしている。

 問題が解けると、面白くなった。時間もあっという間にすぎた。



 墨丘が帰ると言うので、子吉沢は玄関まで行った。

「今日はありがとうね」

「そんなことないよ」

「勉強がこんな面白いとは思わなかった。墨丘くんのおかげだよ」


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