明日は
「よかった。こんなワタシでも役に立てたって光栄です。人生の中でワタシをかばってくれたのも子吉沢くんが初めてだし……」

「基本的に差別が嫌いなだけだよ。だから、真猿が言うようにホモじゃないから」

「わかっているよ」

 墨丘は手を振って出て行った。

「サンドイッチおいしかった!」

 と、子吉沢は言うと墨丘は振り返って笑顔で、顔を右に少し傾け、その動作は男性ではなく、女性に見えた。

 肉体が女性と生まれてくればよかったのにと、子吉沢は思った。

 でも、女性として墨丘が生まれていれば、子吉沢との関係もないはずだ。つくづく、神がいるのなら、残酷なことをするものだと、言いたくなるほどだ。


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