明日は
 第三者が見れば、子吉沢と墨丘は密会していると否定は出来ない。

 校舎の隅で、子吉沢は校庭で遊んでいる生徒を眺めていた。

「待った?」

 墨丘は周囲をうかがいながら、子吉沢の肩に手を乗せた。

「別に」

「話があるの」

 墨丘は真剣な眼差しで見つめた。

「ナニ?」

「ワタシ……」

 墨丘は言いにくいのか、言葉をつまらせていた。

「何だよ。早く言えよ」

 子吉沢は不安が浮かんだ。

「私立高校の受験しない」

「ええっ?」

「ワタシも公立高校だけ受験する」

「ええ?」
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