明日は
「その時は幽霊よりもホームレスの方がビビるから、黙っているより何かしゃべってホームレスに存在を知らせようとした」

「そう、急に現れて……」

「コラッ!」

 克物が大きな声で言ったので、クラスメイトたち動揺し、ざわめいた。

 子吉沢も声こそ出さなかったが、この演出には度肝を抜いた。

「まだ、終わりじゃないよ」

 と、真猿はみんなが驚いたので満足そうだ。薄笑いを浮かべていた。

「とりあえず、俺はしゃべりながら、一階まで行った」

 克物は真顔だった。みんなは完全にハマッている。

「俺も亮も何を言ったか覚えてない。ちょっと、寒気がして、面白いことが浮かばなくてさ」

「でも、何にもなく一階まできて、誰にも会わなくて……」

「ホームレスじゃないなと思った」

「そしたら、また、バタンって音がしたんだ」

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