明日は
SCENE 13
 三学期は受験を終えた生徒は学校に登校しなくても、成績に影響がないので、子吉沢は登校拒否をした。行っても悪人扱いでつらいからだ。

 墨丘は一人で登校した。

 子吉沢は家にいた。両親もすぐに離婚する予定だ。だが、外に出る気が起こらない。

 高校の合格発表の日も墨丘は一人で行った。

 自宅の電話線は外してあるので、子吉沢が墨丘の携帯電話にかけたのだ。

『ワタシたち合格したよ』

 墨丘は電話を出るとすぐに言った。

「よかった」

 子吉沢は色々な意味でだ。

 合格した高校は墨丘以外同じ中学の人がいない。それに、両親が離婚するので、名字も母方に変える。殺人犯の父親と関連する人もいない。

 平和な日々が待っていた。

 だが、その前に中学の卒業式が残っていた。子吉沢は出席するか迷っていた。



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