明日は

「卒業式は出席するの?」

 駅前のハンバーガーショップで、向かい合いで座っていた。子吉沢の目の前はもちろん墨丘である。

「どうしようかな……」

「迷っているなら、卒業式出るといいよ」

「でもな……」

「中学の卒業式って、一生に一回しかないんだよ。今はつらいかもしれないけど、大人になって、いい思い出になると思うよ」

「そうかな……」

「ワタシが頑張れたのも、子吉沢英夢がいたからよ。最後の記念に出席しよう?」

「でも、あいつらの顔見たくないしなぁ……」

「偏見な人たちを気にするの? 逆に出席して、ギャフン言わせればいいのよ」

「別にあいつらにギャフンとしなくてもいいよ」

「そう、じゃあ、じっくり考えてね……」

 子吉沢は相槌しなかった。

 それでも墨丘は何度も出席をうながした。

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