拝啓、カミサマ【短編】
ランプが消えた。
ぶらりはまだ目を開けない。
私は、ただ惰性的に彼の近くから離れられずにいた。
こんな時…
こんな時、人は神様に願うんだろうか。
『彼を生かして下さい』と。
目を逸らして他人に頼む暇があったら、私はぶらりを呼び続ける。
初めから、私は彼を手放さない事に必死なのだから。
いつもとは違う、消毒液の染み付いた塩素系の匂いが、異物として胃をぐるぐると回る。
ぶらり
ぶらり
声が聞きたい。
触れて欲しい。
私の、髪に、指を、絡めた。
ぶらりはまだ目を開けない。
私は、ただ惰性的に彼の近くから離れられずにいた。
こんな時…
こんな時、人は神様に願うんだろうか。
『彼を生かして下さい』と。
目を逸らして他人に頼む暇があったら、私はぶらりを呼び続ける。
初めから、私は彼を手放さない事に必死なのだから。
いつもとは違う、消毒液の染み付いた塩素系の匂いが、異物として胃をぐるぐると回る。
ぶらり
ぶらり
声が聞きたい。
触れて欲しい。
私の、髪に、指を、絡めた。