拝啓、カミサマ【短編】
何も出来ないんですよね?
「――くんと付き合ってるの?」
「…………えっ?」
本当に、このくらいの年の子ってどういう回路を経て話題を見つけるんだろう。
私がほうけている間にいかなる話題の変遷があったものか。
「付き合ってないよ」
「昔からあんなにお家行ってるのに?」
「ん…あんまり、そういうの考えたことないかも」
必要ないのだ。
あの空間には私とぶらりの二人しかいないのだから。
なんでこういうのは留意しやすいんだろう。
そんなにこぞって見られても面白いものは出てこない。
いや、受け手によるのか。
「大変だよね。病気なんでしょ?」
何が大変なんだろう。
「そういえばさ、あたし彼氏できた!」
やっとズレた。
「え!もしかして病院で一目惚れしたって言ってた先生?」
「そうなのーっ」
声の高さに視界が揺れた。
「"きっと神様の巡り合わせだね"ってー!」
「神様あたしもーっ」
にぎやかな笑い声がこだまする。
神様、忙しいな。
あ、必要ない以前に、
明らかにしたくないだけかもしれない。
私が。
はっきりさせたら、私はきっと受け入れられないから。
「…………えっ?」
本当に、このくらいの年の子ってどういう回路を経て話題を見つけるんだろう。
私がほうけている間にいかなる話題の変遷があったものか。
「付き合ってないよ」
「昔からあんなにお家行ってるのに?」
「ん…あんまり、そういうの考えたことないかも」
必要ないのだ。
あの空間には私とぶらりの二人しかいないのだから。
なんでこういうのは留意しやすいんだろう。
そんなにこぞって見られても面白いものは出てこない。
いや、受け手によるのか。
「大変だよね。病気なんでしょ?」
何が大変なんだろう。
「そういえばさ、あたし彼氏できた!」
やっとズレた。
「え!もしかして病院で一目惚れしたって言ってた先生?」
「そうなのーっ」
声の高さに視界が揺れた。
「"きっと神様の巡り合わせだね"ってー!」
「神様あたしもーっ」
にぎやかな笑い声がこだまする。
神様、忙しいな。
あ、必要ない以前に、
明らかにしたくないだけかもしれない。
私が。
はっきりさせたら、私はきっと受け入れられないから。