短編①
その人は、俺の質問を無視して、



「次は、ちゃんと手をつかめよ。」



と言った。


その人が手に握った携帯のようなもの、のボタンを押す。




とたんに部屋が暗くなり、風が顔に当たって俺は思わず目を瞑った。



風がすぎてから目をあけると、



風に舞う緑の帽子。


それを追い掛ける愛しい人。



横から来ている地下鉄。



俺は咄嗟に前に飛び出した。
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