桜の雨~誓い 次世代編~
その頃、高野家では―…

「さくらの奴、帰って来たら
説教してやるんだから!」
と、姉が息巻いていた。

圭吾は考えていた。
昔、自分も
子供扱いされた時に、
よく膨れていたと
懐かしくなったのだ。

それだけに、さくらには
悪いことをしたと思ったし、
さくらの気持ちは
痛いほど解った。


ただ、1つだけ
心配な事があった。

それは、拒絶される事。

病気を告げたら
ショックを受けて、
受け入れて
もらえないのではという不安。

そういうものが
ずっと圭吾の心に
引っ掛かっていた。
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