桜の雨～誓い 次世代編～

「でね、あたし思ったの。
パパにも言えない理由が
あったんだろうなって。
それに気づかず八つ当たりして、
家出して…解った。
ちゃんと話せば
良かったんだって。」

「さくらがそれに気づけたのは
成長だと思うよ。
僕がさくらに
言えなかった理由は、
何も早いからだけじゃない。
さくらに話して、
拒絶される事が怖かったんだ。
依夏と違って、さくらは
結構ナイーブだから。
でも、思ってたより
さくらは大人になってたよ。
年齢はまだまだでも、
中身が育ってるよ。」

「ありがとう、パパ。
あたし、パパの娘で
良かった…。」

「ありがとう、さくら。
その言葉をまさか
今聞けるとは
思わなかったよ。」

「早すぎたかな?」

「いや、大丈夫。
ちゃんと心がこもっていれば
関係無いさ。」

そう言って、圭吾は
さくらの頭を撫でた。