桜の雨~誓い 次世代編~
冬。

この頃、さくらは
重大な問題に直面していた。

それは、進路。

二年生の頭には、
文系か理系かで
クラスが分けられる。

のんびりしてはいられないのだ。

さくらは圭吾に
店を継いだ時の事を
尋ねる事にした。

「店?
あぁ、さくらには
話してなかったなぁ。
継ぐ直前まで、僕は手術して
間もなかったから休養していて、
その間暇だったし、
何となく親の書いた
レシピを見てたんだ。
そしたら、僕の父さんが
“興味あるか?”
って言ってくれた。
そこから数年かけて
色々教えてくれたんだけど、
その途中で事故に遭って
死んでしまったよ。
だから、
父さんのレシピの中で
作れるものだけを
メニューにしてるんだ。
常連さんには千依がちゃんと
勉強して出してる。
僕がやると
どうも味が違うからね。
今でもどうにかして
再現しようとは
思ってるんだけど、
まだまだ
上手くは行かないなぁ。」
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