好きな人は初恋から君へ


「もぉーっあっくんには関係ないでしょ!」


海はプクーと頬を膨らませながら言った。


背後でボソッと
可愛い、と月ちゃんと思われる声は無視としよう。



「関係あんだよ」



「彼氏じゃないじゃーん?」


「えっ秋人?守山さん彼女じゃないの?」


と、明は秋人に目線を向けた。



「…」


「…」



その時、茜と秋人は思った。

そうだ、藤川くん(明)には付き合ってるって言ってたんだ。


「えっあっくん、どーゆぅ事?!」


「秋人?ちゃんと本当の事話そう?」



海はともかく
明の黒い笑顔は駄目だ。いつもの明の色を表すなら白だが今は黒、と言ったら分かりやすいだろうか。



結論を言えば
明は本気で怒らせては駄目なんだ。




「は、話す。ちゃんと。」


「当たり前」


「でも今ここじゃ」


「なら、向こうで聞こうか。」


「や、でも皆暑いだろ?」


「大丈夫。話は5分ですむし。






いいよね?」



「……はぃ」




こんな藤川くんは始めて見たが、こんな秋人も初めて見た。



と、明に連れて行かれる秋人を見ながら関心するように観察していた。





「さて!邪魔者もいなくなったし!」



「あっ」




吉田くんの件すっかり忘れてた!



「明日デ・エ・ト・しよ?」



「だから無理です!」



「なんでー彼氏いないんでしょー?それとも好きな奴でもいる?あ、あっくんが好きだったり?!」



もー。
なんなんだろね。
何で私の周りには、こぅ勘がいい人ばっかなのかな?




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