制服のニオイは恋の予感
私は見なくても、それが誰だか見当がついている


若村君…だよね?


「何やってんだよ!」


ビクッ


声を聞いて、間違いなく若村君だと確信した


それと同時に顔が上げられない私は目から涙が溢れ、それがポタポタと落ちるのを必死で堪えていた


「別に〜忘れ物を取りに来たらさ〜コイツがいただけ」


大貴、お願いだから帰ってよ


私は制服の袖で唇を力任せに擦った


ファーストキスだったのに


好きな人とするって決めてたのに


酷いよ…





< 213 / 391 >

この作品をシェア

pagetop