制服のニオイは恋の予感
私は鉛筆を教卓の上に置いて、机の中の教科書を鞄に入れた


もちろん若村君はジャケットを着ている


あれから若村君は何も言わないし、今日の放課後の事は、なかったことにしようと思いながら歩いていた


「若林!」


校門を出ると若村君から呼び止められ、心臓が跳ねる


「家…近くまで送ろうか?」


「え?そんな…若村君が帰り遅くなるし」


「俺は別にいいから」


そう言って私の隣を歩く若村君


好きな人と帰れる?


この現実がまだ信じられなかった





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