背中あわせのふたりは


「お前、そのうち刺されるぞ」


冷たい視線を投げて寄越す友人に向かってため息をつく。


「…それでもいいよ、もう」


投げやりな卓也の言葉に、友人はため息を返した。


「あいつ、今どこにいるか、知ってるんだろ」


「……知ってたところで、もうどうにもなんねぇって」


きっと、目の前で呆れた表情を見せる友人は、彼女がどこで何をしているのか、ちゃんと知っているのだろう。


彼女とは幼なじみなのだから。


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