背中あわせのふたりは




──…あぁ、変わんないなぁ。




「実家から通える範囲にも、留学制度が整ってる大学はいくつかあったんだけど…。
あの頃、ちょっとごたごたしてて。
…逃げ出したかったのも、理由のひとつ」




──あいつから聞いてなかったのかな。




ふ、とそんな思いが過ぎる。




──いや、聞きたくなかったのかも。




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