背中あわせのふたりは

Ayaka



彼に付き合ってほしいと言われたとき、なぜ私なんだろうという思いと、飛び上がるほどの嬉しい気持ちとが、綾香の躰を巡った。


綾香が頷いたときに見せた彼の笑顔が、目に焼きついて離れなかった。


夏休みはふたりでいろいろな場所へ行った。


電車に長い時間揺られて海へも行った。


彼のお姉さんとその彼氏さんと、四人でプールへも行った。


ただ手を繋いで買い物をしたり、ご飯を食べに行ったりもした。


順調に、ほんとうに何の障害もなく、ふたりの間にあった距離は縮まっていった。


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