背中あわせのふたりは

Ayaka



「綾香?」


記憶の中と同じ声が背後から聞こえて、綾香は振り返った。


「………」


お互いが憶えているその姿より十年分、歳を重ねた姿を、瞳に映し合っている。


変わってない、そう思った瞬間、安堵の息が漏れた。


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