背中あわせのふたりは

Takuya



愛しい、と心が認める。


何年も心の奥底で求めていた人に、触れたい。


だけど、冬の冷たい空気が、手を伸ばすことを躊躇わせる。


卓也は、目の前に座る彼女を見つめた。




『ここで、何してんの?』




その問いかけに、彼女は答えなかった。


ただ、曖昧な笑みを浮かべるだけで。


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