背中あわせのふたりは


ルール違反をしている自分なりの、小さなルール。


この五年、綾香はそのルールを破ったことはない。


風呂からあがると、部屋中に満ちた煙とともに、ロータスの甘い香りが満ちている。


シンプルなルームウェアに着替えて、長い煙草を取り出し、火をつける。


煙草の苦みと、香の甘さがちょうどいい。


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