背中あわせのふたりは




──昔は煙草なんて、嫌いだったのに。




吸いかけの煙草を灰皿に置いて、キッチンへ向かう。


冷蔵庫の中から梅酒を出して、氷を入れたグラスへ注ぐ。


ひとりでいると、どうしても呑みたくなる。




──呑まなきゃ、やってらんないのよ。




独り言を呟く自分自身に苦笑する。


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