背中あわせのふたりは


『しかも、教師なんてなぁ』


「…悪いかよ」


『いや、悪くはねぇけど、似合わねー』


くくく、と笑い声が漏れる。


『まぁいいや、また迎えに行くから、呑みに行こうや』


「だから俺は、酒呑めねぇっつうの」


ハハハと笑って、電話は一方的に切れた。




あいつなりに、心配してくれてんだよなぁ。

…ムカつくけど。




そう呟いて、卓也は携帯電話をベッドの上に放り投げた。


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