背中あわせのふたりは


目的地は、もうすぐそこだ。


自分がどうしてここまで来てしまったのか、綾香には理解できずにいる。




──感傷になんて、浸るタイプじゃないのに。




コートの衿に埋もれた唇が、溜め息と一緒に呟きも吐き出す。


.
< 5 / 138 >

この作品をシェア

pagetop