背中あわせのふたりは


『もしかしたら、地元に帰って来てんじゃないかって、実家に連絡したけど』




──…………この街に…?




『おばさんは知らないって』




──……………彼女が…?




電話の向こうで、まだ声がしていたが、卓也にはもう、聞こえなかった。


.
< 69 / 138 >

この作品をシェア

pagetop