背中あわせのふたりは


「何で、俺?」


「センセーはプレイボーイだから」


ぷ、と吹き出した。


「プレイボーイなんて、俺の年代でも使わねぇよ」


「そうなん?」


おいおい、俺まだ二十代なんですけど、と心の中で突っ込む。


「で、彼女がどうした?」


思いつめた表情で下を向く彼を、数学準備室の椅子に座らせて、訊いた。


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