背中あわせのふたりは


「…あいつが、何考えてんのか、わかんなくてさぁ…」


心臓が、一瞬止まったのかと思った。


「…何で?」


息をそっと吐き出す。


「俺さ、進学するやん?
あいつもさ、俺が行くとこの近くの大学に行くやん?」


彼の彼女を思い出し、頷く。


次の言葉を待つ。


「あいつ、何も言わねぇんだよなぁ」


.
< 82 / 138 >

この作品をシェア

pagetop