背中あわせのふたりは


そのうち、卓也が彼女に惹かれ付き合い始めると、やっかみが絡んで余計にややこしくなった。


だが、卓也も周囲からの視線への耐久力は強かった。




そして、さらに周囲の彼女への攻撃はエスカレートしていった。


態度でも悪意を示すようになったのだ。


卓也とふたりでいるときも、卓也にだけ話しかけてきたり。


プリントを彼女の分だけ渡さなかったり。


彼女だけを徹底的に無視するようになった。


それでも彼女は怯まない。


そんな幼稚な攻撃で、私があんたたちなんかに屈服するわけがない、と。


周囲はそれも気に入らない。


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