背中あわせのふたりは


電源を落としたままの携帯電話をテーブルの上に置いて、部屋を出た。




向かう先は、ひとつ。


幼なじみが、彼は母校で教師になったと言っていた。




──逢いに行こう。


──彼に、逢いたい。




自然と綾香の歩調は速くなった。


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