海が呼ぶから
01.扉を開けて

どうなってるの!?

扉を開けると、そこは真っ青な海が広がっていました。

「え?ちょ、ま…」

我ながら間抜けな声を上げ、一旦ドアを閉じると、うん、間違いなく、いつも通りのうちが借りてるアパートのドア。

"505"と素っ気ないプレートと、ありがちな茶色のドア。

茶色とはいっても、木製だったりとか、そんなお洒落な感じではなく…。

まぁ、世の中にゴマンと存在するような、それは、ウチの容姿と同じ様に、特徴らしい特徴もないようなドアだ。

…言っててちょっと悲しくなってきた。

(うん、きっとさっきのは見間違い。)

ひとつ、深呼吸して、カチリと音を鳴らし、ドアを開ける。

ざざ〜ん…。

照りつける日差しと真っ青な空と海。

(わぁ、泳いだら気持ち良さそう…)

や、泳げないんだけどね、ウチ。

って、そうじゃなくて。

(どうやったら、部屋の中に太陽がはいるの…?)

ウチはポツリと呟いた。

「ど、どうなってるの!?」
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