海が呼ぶから

何でそうなるの

「俺はガルシア。ガルシア・イーストウィン。海賊"東風の旅団"の頭にして船医。」

んで。

一旦言葉を切って、ガルシアは言った。

「今日からお前の保護者…って言うのは、その年だと変か。じゃ…恋人ね」

ヨロシク。
と、軽い調子で言ったガルシアは、ウチの手を握った。

「は？で、でもウチ、男のふり、するんですよね？」

突っ込み所は沢山有ったのだけど、最初にそこを聞いてみた。

「あ、大丈夫、男同士のカップル結構居るから。」

ヤレヤレと首を振りながらガルシアは言う。

「大体、海の上ってのは、あまり女が居ないからな。多いんだ、そういうやつら」

（お、男同士のカップルって、想像上だけのものだと思ってた…。）

衝撃の事実に、呆然としていて、反応が遅れた。

ハッと気付いた時、ウチはガルシアの腕の中にいた。

「俺は、女の子のが良い匂いだし、何より柔らかいから好きだけどな。」

上から甘く、ウチの瞳を覗き込む。

緑とも蒼とも見れる、不思議な海色の瞳に、引き込まれる。

ウチは、ただジッと、ガルシアの瞳を見つめた。
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