海が呼ぶから
06.無垢なモノ
小さいモノ
ジッと見つめてくる、オブティシアン(黒曜石)のような無垢な瞳。
俺は、片腕をのばし、サラサラした黒髪を撫でる。
後ろで一つに括られていた髪は、乾かすために、今は解かれていて、彼女の卵形の顔を彩っている。
湿っているが、指通りの良い絹のような触り心地を楽しむ。
スッポリと腕の中に収まる体は、体温が自分のソレより少しだけ高くて心地よい。
髪を撫でていた手を、きめ細かい頬へと移動させる。
ゆっくりと、彼女へと顔を寄せた。
「あ、あの…顔近いのですけど…」
当然だ。
わざと近づけているのだ。
「そっ、それと、放してくれません?な、なんでウチは抱きしめられているのでしょうか?」
ククッ。
自然と笑いが込み上げた。
(なんて無垢な…)
彼女の、限界まで赤く染まった顔が、ソルソの実を思い出させた。
周りには居なかったタイプだ。
耳までが赤い。
「あんた、可愛いな…。そう言えば名前…聞いてなかったな」
「え…。ああ、ウチの名前ですか?と、とりあえず、さっきから言ってますが、放して。」
「いーじゃん、くっ付いたままでも。」
「は、放してくれたら教えます。」
俺は「ははっ」と笑う。
俺は、片腕をのばし、サラサラした黒髪を撫でる。
後ろで一つに括られていた髪は、乾かすために、今は解かれていて、彼女の卵形の顔を彩っている。
湿っているが、指通りの良い絹のような触り心地を楽しむ。
スッポリと腕の中に収まる体は、体温が自分のソレより少しだけ高くて心地よい。
髪を撫でていた手を、きめ細かい頬へと移動させる。
ゆっくりと、彼女へと顔を寄せた。
「あ、あの…顔近いのですけど…」
当然だ。
わざと近づけているのだ。
「そっ、それと、放してくれません?な、なんでウチは抱きしめられているのでしょうか?」
ククッ。
自然と笑いが込み上げた。
(なんて無垢な…)
彼女の、限界まで赤く染まった顔が、ソルソの実を思い出させた。
周りには居なかったタイプだ。
耳までが赤い。
「あんた、可愛いな…。そう言えば名前…聞いてなかったな」
「え…。ああ、ウチの名前ですか?と、とりあえず、さっきから言ってますが、放して。」
「いーじゃん、くっ付いたままでも。」
「は、放してくれたら教えます。」
俺は「ははっ」と笑う。