海が呼ぶから
カイが現れた日、スープを持って来させてから、何だかんだと、ベルはカイに話しかけるようになっていた。

(『船長(キャプテン)には負けませんよ』とか言ってたっけ。生意気な…)

ベルの話を聞いているカイが、ニコニコと相槌を打っているのが、また気にくわない。

(何でそんなに楽しそうなんだよ。)

カイはあまり俺の前では笑わない。

なぜか、いつも良く赤くなって俯いている。

ふたりきりだと一応喋ってはくれるが、あまり目も合わせてくれないのだ。

苛々しながら、俺は二人に近付いていった。
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