海が呼ぶから
まさかとは思うけれど。

(全く別の世界から来た…とか、言わないよな?)

しかし、本人を目の前にすると、それは些細な事のように思えてしまうのだ。

睨み合いを続けるベルとゼオの周りを、何とか二人を引き離そうとウロウロしているカイの動きは、まるで小動物のように愛らしい。

そこへ、空の鍋とお玉を持った料理長が乱入してきた。

「あんたら、飯食わないなら、邪魔だから出ていってくれないかね?」

料理長の言葉に、二人は渋々と盆をとり、カイはあからさまにホッとした顔をしていた。
< 22 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop