海が呼ぶから

甘いモノ

大概、俺も甘いよな…とは思うが、女子供限定だから、おそらくは問題ない。

でなければ、海賊の頭なんぞやってられ無い。

ぼんやりそんな事を考えていると、着替え終わったらしい彼女から声がかかった。

振り返り、ジロジロと見て確認する。

(童顔だし、胸が抑えられていれば、まぁバレないだろう)

この世界の女性は、大体が豊満な胸を持っている。

胸が無い=100%男、の図式が成り立っていると言っても過言でないほどだ。

サラシを巻かせたのも念の為で、失礼ながら彼女の体型ならそのままでも平気…つまり男と思われていた…かもしれない。

ずぶ濡れだったのと、救出の為抱きしめたのが無ければ、俺も男だと思ったままだったろう。

「ど、どうですかね?男…に見えます?」

俺が黙ったままだったのに痺れを切らしたのか、彼女がたずねてきた。

「…外見は大丈夫なんだが、声…もう少し低く出来ないか?」

訪ねるが、彼女は自信なさげだ。

「あと喋り方をもっとぶっきらぼうか、いっそ喋らない方が…。喋れない路線で行くか?」

「え…。大丈夫ですかね…」

「今まで喋ってるの、俺相手だけだから、あんたがコレから喋らなけりゃ大丈夫だろ」
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