それでも君が好き
わたしがそう言っても、凛子はまだ悔しそうな、そんな顔をしている。
蒼太は、すごく人気がある。
女の子にも、男の子にも。
スポーツも勉強もできるから、『王子』なんて呼ぶ人達も居る。
わたしも付き合ってた時期は、いろいろやっかまれたりした。
けどその度に、蒼太が助けてくれたっけ。
「…やめよ、思い出すの」
わたしはボソリと呟くと、冷たいコンクリートの地面から腰をあげた。
スカートを簡単に直すを、凛子の方を向く。
「もうそろそろ戻らない?」
「うん、そだね」
わたしは凛子と、来たルートを引き返して行った。