それでも君が好き
蒼太も多分誘われただろうな…。
わたしは一番前の窓際の席で机に伏せている、蒼太を見る。
白いカッターシャツが、窓から射す光を反射して、眩しい。
「じゃあねー未羽、ばいばいっ」
「うん、バイバイ」
やがて教室には、わたしともう一人の人物だけになった。
やっぱり窓際の席で机に伏せている。
「…一緒に帰ろって言ったくせに、何で寝てんの」
わたしはボソリと独り言を言った。
そして足音をたてずに蒼太に近づく。
「…蒼太、もうホームルーム終わったよ。いつまで寝て…っ!?」
がばっ
言葉が、いきなり遮られた。
気が付くとわたしは、蒼太の腕の中に居て。