それでも君が好き
「ふっわーいい天気だねぇっ」
「そうだね」
凛子はフェンスにもたれると、購買の焼きそばパンをほおばった。
わたしもコンクリートに腰を下ろして、メロンパンの袋を開ける。
その時だった。
「あ、あの…未羽……さんっ」
「は…はい」
反射的に振り向くと、そこには見慣れない男の人が立っていた。
いや、見たことある…?
確か、C組の高瀬くん…だ。
「あの、俺…高瀬 龍って言います…。未羽さんは知らないと思うけど…」
「ううん。知ってるよ。C組でしょ」
わたしはそう言って少しほほ笑んだ。