それでも君が好き
高瀬くんは心なしか表情をパッと明るくすると、いきなり頭を下げた。
な、何…!?
わたしは驚いて、持っていたメロンパンの袋をコンクリートに落としてしまった。
「好きですっ…俺と付き合ってください!」
広い屋上に、高瀬くんの声が響いた。
わたしは高瀬くんの肩に手を置いた。
「顔、あげて」
「………っ」
そして今度はわたしが頭を下げた。
「ごめんなさい…わたし、今そういうの無いから」
じっと自分の足元を見つめる。
ロングヘアの黒髪が、パラパラと落ちてくる。