キミの手 キミの体温

心のどっかでずっと思ってた。


いつかきっと、宝珠は昔みたいにわたしに笑ってくれるって……。


今は届かなくても信じてればわたしの声が届くって、ずっと信じてたのに。



「待てっ!」



冷えた指先に触れた温もりがわたしの足を止めた。



振り返った先には息を切らした宝珠がわたしを真っ直ぐに見つめていて、


ギュッと力が込められた手のひらがわたしの指を痛いくらい掴んだ。



「……ずっと待ってるって約束したのに」



揺れる眼差しに宝珠の視線が絡み、涙声で発した言葉にその瞳が鋭さを帯びる。



「ふざけるなよ……先に約束を破ったのはおまえだろっ」



搾り出すような掠れた宝珠の声と睨みつける瞳に捉えられ、



「ずっと好きでいるって言った癖に裏切った」


「裏切ってなんかないよ! わたしはずっと宝珠のことが好きだった!」



溢れ出した涙もそのまんまで必死に訴えかける。


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