キミの手 キミの体温

「何かあった?」


「えっ……」


「……休みだな。舟瀬」



昼休みの教室はいつもと変わらず騒がしい。


ただ一つ。
後ろの宝珠の席が空いてることを除いては……いつもと変わらないお昼休みだ。



担任の先生に聞いても連絡はないって困ったように溜め息を吐くだけ。


寧ろ何か知らないかって聞き返されたくらい。



「……わかんない」



さっきから全く減らないお弁当箱の中身を眺めながら小さく呟く。



宝珠が何を思ってるかなんて……わたしだって知りたいくらいだよ。



お弁当箱の蓋を閉めるわたしの正面で、水希と周助が顔を見合わせていた。



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