キミの手 キミの体温

昨日からずっと宝珠の言葉が頭から離れない。



約束を破った。

裏切った。

嘘つき。



どれもが宝珠の口からわたしに言われた言葉で、どれもがわたしに当てはまる言葉だ。



今日は宝珠が休みで助かったのかも……。


こんなに失望されて、もうどんな顔をして宝珠に会えば良いのかわかんない。



「……何言われたんだ?」


「周助……」


「箱ティッシュ用意して待ってるって言ったでしょ」


「水希……」



校門を抜けた所で待ち構えたようにわたしの前に現れた二人は、にっといつもの顔で笑ってみせる。



お昼休みに黙ってたのは二人に心配を掛けたくなかったのが半分。


もう半分は宝珠に失望されてる自分を知られたくないっていうエゴ。



自分が可愛いばっかりのエゴイストだ。



< 111 / 359 >

この作品をシェア

pagetop